人生ゲームについて思うこと

人生ゲーム盤面カスタマイズ

これだっ! 小さい頃に自分だけのすごろくって作りませんでしたか.通ることの出来る道は限られているのに,4人一緒に遊べばルーレットのため止まるコマがそれぞれ異なったり,お互い邪魔することもあるので,毎回物語の展開が変わります.対話的な物語生成器というのはまずは人生ゲームを作るのが身近なところであって,そのとき守るべきポリシーは次のようなものになるはずです.

  1. 大局的に見てマス目の内容に流れを持たせる.人生ゲームの場合,就職から始まって結婚,そして余生を過ごすまでという大きな流れを持つ.
  2. 局所的に見てマス目の内容が突拍子なくともあまり問題のない題材を選ぶ.人生万事塞翁が馬.恋はいつだって唐突だ.(ときめきメモリアル2人生ゲーム
  3. 人生がループしていても,深くは考えないこと.「台風で吹きとばされスタートにもどる」

ところで,カレンダーというのはたいした発明で,とぎれることのない時間の流れをマス目で区切ることによって,ジャンプしやすいものとしてくれました.カレンダーを見ることなしにある出来事が何ヶ月前のいつの日の出来事だったかなんてうまく思い出せません.逆にいうと,僕らが感じている過去のいつかというのはカレンダーの過去の日付が指すものとは異なっているということかも知れません.ともあれ,明示的なある点へ時間を戻すという考え方は,自分の頭の中だけで考えているよりは,カレンダーを見たり想像したりしながらのほうが発想しやすいものであると思います.そうすると,人生ゲームの罰則の一つであるマス目を戻ること,つまり時間がある特定の点へ巻き戻されるという発想は,カレンダーのような図表の発想を伴った,空間的なものであると言えます.そしてその空間の醍醐味を追求したところに「台風で吹きとばされスタートにもどる」というふざけたマス目はあって,台風で新卒からやり直しってどんなでしょう.しかし,自分のコマをスタート地点まで一気に戻すときのがっかり感ったらなくて,こうしたダイナミックな移動は盤面上で紡がれる物語をとても面白いものとしています.

「虹色町の奇跡」稼働から10年が経とうとしています記念.まぁ,あまり関係ないけど.

疏水太郎