コミュニカシオン・ドゥー

莫迦は道明くんのほうであって,会話において自分が勝手に省略してしまった文脈を察してもらえるものと信じ込んでいるだけだと思われます.このひと5年間東京行ってしまって東京の友達には通じるような話し方でやってしまって,すっかりりるけとは言葉が通じなくなっているのではないかしら.というのも,りるけが彼以外と話すときにはあんな回りくどい会話になってるとは想像できなくて,もちろん僕はおよそ道明くんを介してりるけと会話するのではっきりとは判らないところですが,たとえば彼のことを好きな気持ちについてりるけと灰音さんが二人きりで会話してるところは普通に会話らしく聞こえます.みんなが見ている終業式の舞台でも彼が思うほどには変な振る舞いをしなくて.淡雪もなにげに指摘してましたが,道明くんとりるけの頭んなかっていうのはそれほど変わんなくて,ふつー.おかしいのは個々の頭んなかじゃなくて,道明くんとりるけの間柄のほうね.道明くんはお兄ちゃんぶってわざとえらそうにやってるようでもあるし,りるけはというとお兄ちゃんの前で笑ってなきゃ駄目だって気持ちとか好きとか恋とかいう気持ちでぐちゃぐちゃになりながら道明くんの前にいるわけで,頭まっしろで道明くんの言うことなんてろくに聞いてないんじゃないかと.灰音さんも自分の娘のことバカバカ言うけど,彼女としてはそんな妙な感じになってる二人の会話はネタとして聞いてるしかないわよね.

11番のコーヒー牛乳と13番のコーヒー牛乳はもちろん同じでないとも言えるのですが,そういう解釈を拒む頑なさはなんだ,新手のプレイであるようにも感じられます.仲いいわね!

疏水太郎