対面の嘘,背中の君

五月五日のこと,家族+親戚で尾道三部作(D.C.,カラフルキッス,かみちゅ)の地へ行きました.特にどの作品の誰を意識して向かったわけではなかったのだけど,バスから降りたときに自然と捜してしまった相手は頼子さんでした.せっかく千光寺さんへ行ってきたんだけど予習してなかったので何も判んなかったよ.これからD.C.サイドエピソード見直します.

町の中にキャラクターの姿を自然と重ねてしまうことはそうあることじゃなくて,あとはその昔,イタリアのクレマへ行ったとき,向こうのほうにヘンリエッタが居るような気がしたくらいだったかしら.(青森のとき,安達妙子の町であるのは判ったけど姿は感じなかった.)そういうとき彼女らは必ず僕に背中を向けているか横顔かで,そして僕から遠く離れて居るのであって,僕はただ彼女たちの居場所に迷い込んだという風であるから,彼女らが僕に向かって歩いてきたり話しかけてきたりということはちょっとなさそうな気がします.

一方で,熱海にあるという一高キック炸裂の像(金色夜叉)や京都北山にあるという苗子千重子いちゃいちゃの像(古都)など,小説映画ゆかりの地には名場面の像が据えられるようだけど,近くまで寄ってじっくり彼ら彼女らの様子を見ることが出来ちゃうのは逆にそこに居るという感じが薄れます.ただし覗き見るような助平さは五割増しなので,それでもやっぱり僕は見に行きたいと思うのですが.

熱海いきたいなぁ.

ご当地巡りにはいろいろあって,僕の鎌倉行きの場合は一夏の影を捜すというよりは僕自身が一夏のつもりであったのだったりする.

疏水太郎