それは宵闇の彼方から

女の子は三人並べば自ずから手を繋ぐように出来ています.

「女女女」

ほら,なんだか手と手を繋いでるみたいに見えるでしょ? おんなじように子供も三人並ぶと手が結びあわされます.

「子子子」

・・・ほらね.だけど,男はこうはゆかないの.

アルティメットガールのOPが気に入っています.つぼみが白絹の手を引っ張って,白絹がヴィヴィアンの手を引っ張って走り出してゆくところが好みです.本編の縮図,と言ってしまうとつまらないのですが,自分の身体については羞恥心に欠けているつぼみがヴィヴィアンの服の破れを気遣ったり盾になって白絹の裸を隠してやったりと他の娘さんの羞恥は守ってあげていたのが意外だったのでよく覚えていて,それでOPを見返すほどに,冒頭で白絹の頭をなでて手を取って走り出すつぼみの姿というのは,頼りになるものとして改めて納得されるのでした.UG#1-#3まで.AT-Xで見始めたらあまりに素敵な三人だったのでBOXを買ってしまいましたとさ.

あとはココロ図書館のOPを思い出して頂きたくて,こころを先頭に,いいな,あるとの三人が手を引いて歩いてゆく姿も印象的でした.さてここで人の胴体から腕が二本突き出ているのはどういうことかっていうと,仮に独りの人間を一枚の写真や一編のエピソードであるとして,左右を手で繋いで動かせば映画が生まれます.人間の身体っていうのは手を繋いで引いて歩けばそれだけで物語になるような形状をしていまして,例えば母が子の手を引き,大きくなった子が今度は母の手を引き,というような身体の大小から引き起こされる連動の中に,僕らが言葉を要するまでもなく了解されるそれが物語の身体性というやつです.

与太はともかくとして,手を繋ぐということが物語へ入ってゆくときに欠かせないものではないかということを,女の子たちが手を繋いで歩くのを見るとき,僕ら羨ましく見つめるものではないでしょうか.

疏水太郎