異世界の法則

ちょっと前に京都駅でシャガールのぐにゃぐにゃとした絵をたくさん見てきました.僕は子供の好きそうなおにんぎょさんみたいな絵を描きたいと思っているので,シャガールの描く根菜みたいにぐにゃっと長い人のからだ,つまり幼いころ大人から強要された野菜の,妙に長かったり曲がっていたり色合いが変だったりするものがたくさん並んでいる様子は美しいと思えないはずなんだけど,これだけ一同に会しているのを見ると僕の美的感覚のほうが間違ってるんじゃないかと錯覚させられました.

美術館の価値っていうのは,ある規則に従った陳列によって来場者の美的感覚を狂わす点にあるのだと思いました.

疏水太郎