爆弾拾遺

「トトカミじゃ」 蒲田くんがいつの間にかトトカミサマを「あのヒト」と呼ぶようになるあたりは,僕が蒲田くんたちのことをあの子たちと呼ぶようになる過程と被さるみたいで親しみがわきます.薫さんのモチーフ話に乗っかってみると,じいさまの代とかえらい昔っから時を超えて生きてる小さい少女神に男の子が奉仕する羽目になるといえば「ゆのはな」.神の名において奉納!

とはいえ,先生とか図書館とかあの子たち見てるとやはり早見裕司の逝川高校文芸部がより直截に思い出されるのですが.ああ,こちらでも

「出席番号0番」 最後,月本(?)が本物の月本であるか日渡であるかはけっこう大事なのですが,日渡千晶がそもそも男であるか女であるかは結局のところ不問であるあたりは助平でよいかと.モチーフはもちろん「暗黒SNOW」ていうか「絶望」.

早めに降参しておくと,残りのモチーフ当てはネタ切れ.広大なゲームの海のなか,高々自分の引き出しにあるものしか持って来れないわけでして.

「むかし,爆弾がおちてきて」 平和や健やかさを祈念する像ほど美しい裸体なもので,青少年であればブロンズの彼氏彼女を見てどきどきしたり恋したりもするよね,僕とか,というお話.それに気づいてしまったとき,他人にはめったに言えねぇし,それに僕だけが知ってることにしておきたいからそもそも言いたくないとかそういう気持ちもよく伝わってきます.そして,彼女を目指す”ぼく”にとって,ミチさんが裸じゃなくもんぺであるところとか,じいちゃんの遺言があるとか,言い訳可能なところが男の子としては有り難いです.

疏水太郎